Activity2014年度の活動内容

贈呈式開催 枯れ葉剤被害者の子ども達に車椅子を
ベトナム・プックラム国際総合病院(2014年9月)

再びベトナム訪問  ●前回の訪問記事はこちら

9月13日から15日までベトナム・ハノイを訪問しました。
今回の訪問目的の一つは、ベトナムにおける初めての日本資本によるクリニック、東京インターナショナルクリニックの開院式出席。
もう一つは、機関誌『友愛』7月号で報告させて頂きましたが、ベトナム戦争時の米軍による枯葉剤の影響で今もなおその後遺症に苦しんでいる特に子供達に、無料の整形治療プログラムを行っているプックラム国際総合病院への車椅子贈呈式に出席のためです。

日本のクリニックの開設は、現地で働いている邦人にとって朗報です。何故なら、私も米国留学時代に同じ思いを経験したのですが、日本人が異国の地でドクターに診てもらう時に、自分の体調や意思を言葉の問題等により正確に伝えることができず、苦労をすることが多いからです。
開院までには法律を含め考え方の違いなどから許可申請するのに大変なご苦労があったと伺っていますが、友愛溢れるクリニックに発展されることを祈っています。

40年経た今も残る枯葉剤の影響

また、私は昨年、永年の友人であり越日協会会長であるヴー・カイ先生のご紹介により、ハノイ郊外のプックラム国際総合病院を訪れ大変ショックを受けました。
それは、ベトナム戦争終結からほぼ40年も経つのに、未だに米軍によって撒かれた枯葉剤の影響で、四肢や脳、五感などに障がいを持つ子供たちが何万人とおり、さらにそれに含まれる猛毒のダイオキシンにより、遺伝子に異常をきたし三代にわたって苦しんでいたり、土地や水が汚染され、体が冒されてしまっている人々もおられることを、同病院のロン院長から伺ったからです。

もちろんベトナム政府も対策は取っており、米国もそれなりの対応は当然ながらしているようですが、それとは別に、何かお手伝いができないかと考え、院内や通院するための車椅子が圧倒的に不足しているということから、今回、友愛と同じく私が理事長を務める東アジア共同体研究所が協力し、加えてアビリティーズ・ケアネット社の全面的な協力のもと、車椅子を50台贈呈することになったのです。

感激の車椅子贈呈式

贈呈式ではベトナム流の踊りや歌で熱烈な歓迎を受けるとともに、ベトナム共産党のダオ・ヴァン・ズン中央宣伝局社会問題部長、前国家副主席チュン・ミン・ホア氏から感謝の挨拶があり、最後は障がいを持つ子供達も満面の笑みで車いすに座って記念の写真撮影が行われ、感動の渦が巻き起こりました。
私たちの出来ることは小さな事かも知れませんが、少しでも子供達の笑顔が見られれば、これに勝る喜びはありません。
また、「ベトナム国民の謝辞」という詩が披露され、日越における民間同士が互いに発展し喜びを分かち合える関係の大切さを強く認識した次第です。

その後、日曜日にもかかわらず、グエン・タン・ズン首相との会談が首相府においてセットされました。
ズン首相からは、越日の友好関係に対する尽力、そして首相時代に越日関係の発展に努めたことへの感謝の言葉がありました。そして、クリニックの開院と、プックラム国際総合病院への車椅子贈呈に首相も大変感動され、日越の協力関係をさらに強めることになったとのお話がありました。

私から、車椅子の贈呈とは別に、枯葉剤で汚染された土地からダイオキシン等を除去することを、ODAを使って日本の技術協力で行えないか、という提案をし、また、日越両国における中国との領土問題について、対話による解決が大事であるということを申し上げましたが、ズン首相からは、「枯葉剤の影響がある患者が、国内に200万人いる。ベトナムは元々、農業や水産業の国であり、今後、日本の技術協力が必要である。是非、次回はベトナムの南部の稲作現場を日本の農業関係者とともに視察してほしい。また、領土問題については、国際法に基づいて解決することを望んでいる」との話があり、今後とも意見交換を重ねていきたいという事で合意しました。
このような「友愛」の交流による日越の絆を継続していく必要性を再認識した訪越になりました。

 
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