2019年度国際交流事業 OJAB学生派遣
6名の学生が勢揃い それぞれの抱負を語る
8月5日から8月15日までOJABにて研修
公益財団法人友愛が、国際交流事業の一環として行っているOJAB(エヤップ)への学生派遣事業は、今年度も全国から定員の6倍近い応募があり、若い情熱に溢れた申し込み書類が殺到した。選考委員会で選考の結果、6名の学生派遣が決まった。参加に届かなかった学生諸氏の評価も高く、来年の捲土重来を期待したい。
参加学生から寄せられた抱負を紹介します。(掲載順不同)
初訪問のウィーンに心を躍らせて
名古屋大学4年 木本康瑛
この度、OJAB派遣プログラムに選抜して頂きありがとうございます。名古屋大学医学部医学科4年の木本 康瑛と申します。
大学では、硬式野球部と留学生サークルに所属しています。合格を知らされた時は、まさか自分が選ばれるとは、という驚きと共に喜びの気持ちでいっぱいになりました。個人の旅行では体験できないような様々な経験を通して、多くの事を吸収し、オーストリアの高齢者介護や難民課題について深く学びたいと思います。
また、各種プログラムを通しての現地学生との交流もとても楽しみにしています。是非、この機会に海を越えて、切磋琢磨できる同世代の仲間とのつながりを作っていきたいです。また、日本とオーストリアの文化の相互理解も深めたいと思っています。
10日間という短い期間ですが、一日一日を無駄にせず、たくさんの事を吸収していきたいと考えています。皆さん、どうぞ宜しくお願い致します。
これまでとこれからを繋ぐ研修へ
名古屋大学3年 後藤大智
大学生になってから2年間で、アジア地域にある5カ国に行きました。
そこでは、JICA・大学が中心に取り組む法整備支援事業や、急速な経済発展と民主化への動きを垣間見ました。
日本と発展途上にあるアジア諸国を比較することで、専攻として学ぶ行政学・地方自治・地域政治について、よりよく理解することができるようになりました。
ここに、オーストリアに行き、新しい視点から見ることによって、今までに気づかなかったことや分からなかったことを明らかにしてくれると思います。
特に、難民救済や福祉事業、核の禁止といった、今後日本やアジア地域でもさらに注目される課題と向き合い、取り組んでいるオーストリア・OJABからは、非常に多くのことを学べると期待しています。
本派遣事業の終了後、大学のプログラムで香港大学に一年間留学し、専門分野の学習を深める予定です。オーストリアでの経験や学習が、香港でのさらなる学術的理解を助け、その後の人生にとってもかけがえないないものとなるように、初めてのヨーロッパ・オーストリアを味わい尽くしたいと思います。
6名が感じたことを大切に
早稲田大学2年 森﨑桃子
今回機会を頂いた事を大変光栄に感じています。
現地では、実際に移民問題に携わっている方々と積極的に交流し、自分が見聞し感じた事を発信して、この問題について考えるきっかけを少しでも作りたいです。また、日本とは違う文化世界の中での価値観の違いを体験し、自分の視点を増やしたいです。
大学生6人で参加させて頂くため、全員で感じた事や、自分達がこの体験を通してどう行動していきたいかを考えながら、一緒に時間を過ごしたいです。
私たちが行ってみる事で少しでもいい変化が自分自身にも、そして社会にも起こす事ができるように、使命感を持って取り組みたいと思います。
派遣事業への意気込み
一橋大学4年 吉田大志
OJABへの派遣学生に選んでいただき、本当にありがとうございます。本派遣事業への参加を実りあるものとするために、事前準備を怠らず、オーストリアで得られるだろう貴重な経験を広く世の中に発信していく所存です。
大学では経済学部に所属しており、中でも医療経済学に関心を持っています。医療経済学とは、医療行為をサービスとみなし、その価格決定や質の担保に政府や自治体がどのように関与すればいいのかについて分析する経済学の一分野です。現在は学部卒業の集大成として卒業論文に取り組んでおり、日本における医師と歯科医師の地域間での偏在をもたらす要因について、統計的に分析しています。
本派遣事業でOJABが運営する高齢者用住宅を訪問することで、オーストリアにおける福祉を巡る環境についての理解が深まり、高齢社会に起因する様々な問題に直面している日本のあり方について改めて考える機会となるであろうと期待しております。
これからの糧となる学びを
東北大学3年 阿部真悠子
在学中に国際協力事業に関わりたいと考えていたため、このプログラムへの応募を決めました。
難民問題は近年報道でよく取り上げられており、現状の深刻さと世界各国が有する責任について自分なりに考えることも多いテーマです。そのため、この度数少ない派遣学生として選出していただき、多くを学ぶ機会を与えていただけることを、大変光栄に思っています。
日本で暮らす限りではあまり身近に感じ得ない問題だからこそ、実際に当事国へ赴くことでわかることが多くあるのではないかと考えており、現地でどれだけ自分の視野を広げることができるか今からとても楽しみです。
またプログラムの中では、多くの人々との出会いを大切にしたいです。積極的に交流を深めることで、現地情勢や彼らの経験を「自分事」として捉え直し、これからの自分にできる「何か」を見つけることができたら良いと思っています。
人生の次のステップのための2週間
慶應義塾大学院修士課程1年 成田葵
この度、OJABへの派遣学生に選出して頂きました、成田葵と申します。
私は将来、脆弱性のある人々が生きやすい社会を作りたいと思っています。彼らの選択肢を増やすことは、彼らの人生がより意義あるものになると同時に、国際社会全体が効果的に機能することに繋がると考えているからです。特に難民問題については、大学院の授業を通して、都市に暮らす難民や難民の経済的側面など、様々な角度から勉強しています。しかし、勉強する中で、難民一人一人の気持ちや支援する側の思いを知りたい、加えて難民支援をするにあたってNGO・政府・国際機関にどのような違いがあるのかを模索したいという気持ちが強まりました。この貴重な機会を活かし、ウィーンだからこそ学べる事をしっかりと吸収したいと思います。そしてプログラム終了後も、難民支援の現場に触れた経験を生かし、将来のキャリアの中で、具体的にどのように国際社会に貢献できるかを考えたいと思います。