Activity2024年度の活動内容

友愛小論文コンテスト表彰式実施

鳩山由紀夫理事長から友愛賞賞状が贈られる
友愛賞受賞の朴智勇さんが受賞者を代表して挨拶

韓国で行われた初めての「友愛小論文コンテスト」事業は、全州大学校の多大な協力を得て、成功裡に終了した(589号既報)。寄せられた作品を厳選に審査し受賞者が決まった。直接賞状を手渡したいとの思いから、多忙な時間をぬって鳩山由紀夫理事長自らが再度全州大学校を訪れ、学生達との交流のなか表彰式を挙行した。

10月24日(木)韓国の全州大学校に於いて、2024年度「友愛小論文コンテスト」の表彰式が行われた。去る5月に開催された、講演会など、日韓交流事業の際に募集し、寄せられた作品のなかから、8名の選考委員会の厳選な審査を受け、表彰対象となった作品に賞状、賞金が贈られた。
友愛からは鳩山由紀夫理事長、芳賀大輔理事、攪上哲夫理事、戸澤英典選考委員、羽中田元美事務局長が参加した。
24日早朝、日本を発ち、ソウル(金浦空港)に到着後、車で約40分のところにある、新幹線の駅に移動。新幹線に乗車すること約2時間、その後再び車で40分の全州大学校に到着と、強行スケジュールでの訪問となった。午後4時という時間にも関わらず、全州大学校は、パク総長を始め片教授ほか多くの学生さんが笑顔で迎えてくださった。
大きな教室に設えられた会場には「2024年度友愛小論文コンテスト表彰式」の看板が掲げられ、構内に入る入口にも、大きな看板が設えられており、大学を挙げての歓迎ぶりが伺えた。
同行の戸澤英典選考委員は講評として、「作品だけ拝見している時より、実際に伺って皆さんの活気ある表情にお会いできたことで、さらに作品への評価が高くなりました」と述べ、大きな拍手が湧いた。
全員での記念撮影を終え、友愛一行は再びソウルに向けて出発した。

友愛賞受賞作品
友愛と竹 朴 智勇

私の考える友愛とは、友情や愛情を通じて他者を思いやり、互いに助け合うことである。それは人間関係の基本であり、人と人とが、国境を越えて互いに支え合い、理解し合い、共に成長するための基盤となる重要な概念であると考える。そして、私はこれを「竹」で象徴することができると思う。
思い返すと、私が京都の嵐山の竹林の脇道に訪れた時のことである。竹は空高く伸び、竹同士が美しく調和し絡み合っていた。その緑のトンネルがみせる光と影の美しい光景は、今でも忘れられない。一本の竹を見て美しいと思う人は少ないかもしれないが、竹はその成長過程で他の竹と密接に絡み合い、支え合いながら竹林を形成し、人はその全体を見てはじめて美しいと思うはずである。また、竹は地面に深く根を張り暴風雨にも倒れないほどの強さを持つと同時に、強風が吹くとしなやかに揺れ、その柔軟性によって折り曲げられることなく生き延びることができるという性質を持つ植物である。このように竹は個々の強さと柔軟さ、そして竹同士の支え合いと共存があってこそ美しい竹林を形成できるのである。このような竹の性質は、まさに私が思う友愛の本質であり、それを象徴するものだと思う。
それでは、竹になぞらえて今の日韓の関係を説明してみよう。日本と韓国は同じ東アジア文化圏に属する国として、人種、文化、地理、歴史、社会のあらゆる面において極めて近い関係にある。しかし、現在の日韓関係は、歴史認識の相違や政治的・経済的な対立、メディア教育による偏見などが、双方の誤解や不信感を増幅させ、協力や友好関係の構築を妨げる主要な原因となっている。これはまるで、竹が同じ土壌かつ隣で根を張りながらも、その成長過程で調和や絡み合いができず、美しい竹林が形成されない非現実的な状態のようである。しかし、日韓も竹のような友愛の精神を心掛け、互いの文化や歴史を尊重し、理解し合う努力を続けるならば、共に繁栄し、友好関係を築けるに違いないと思う。竹が根を張り絡み合うことで暴風雨に倒れないように、しなやかに揺れることで強風を耐え抜くように、日韓関係も強い絆を持ち、柔軟な姿勢を持つことで、困難な問題を乗り越え大きな成長を遂げられるであろう。 私は京都大学での留学時代、11か国からなるクラスメートや、書道部および環境サークルの仲間たちに出会った。彼らとは今でも定期的に連絡を取り合い、彼らが韓国に来てくれた際には観光案内をしたり、私もまた皆と台湾やタイなどに旅行したりと、活発な交流を続けている。異なる文化や背景を持つ彼らとの関係は、まるで竹の地下茎がしっかりと繋がっているように、強くしなやかな絆を形成している。このような、多様な文化と価値観の中で育まれた友情は、まさに竹のような強さと柔軟性を兼ね備えている。これこそが、私の考える友愛の理想であり、その実践例でもある。

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