Activity2013年度の活動内容

第23次友愛植林訪中団
山西省臨汾市、遼寧省錦州市にて実施(2013年6月)

歴史の町「臨汾市」、遼寧省の期待を担う街「錦州市」

第23次植林訪中が実施された。
今回の植林実施場所は、山西省臨汾市、遼寧省錦州市の2か所である。
これは平成24年度植林事業として計画に挙げられていたもので、天候の都合などから25年6月の実施となった。
そのため通常の植林訪中団を組むことなく、事務局から1名、学生参加として川手祥右さんの2名が派遣された。
実施の遅れから気をもんでいた現地からは安どの声があり、熱烈歓迎を受けた派遣員は、滞りなく行われている植林進行状況を確認して、予定通り22日に帰国した。

臨汾市

<太原経由で臨汾市へ>
羽田から北京経由で山西省の省都太原(タイゲン)へ、それでも移動に1日かかった。
ここで今回の植林事業の関係者が一堂に集い顔合わせを行う。
翌朝、約300キロの距離を車で移動、臨汾市の現場に到着した。
現地のボランティアの学生達が、起工式(植樹祭)のためのやや大きめな苗木を用意して待っている。
植林事業地は、一見すると緑が足りているように見受けられる。
しかし、それらはどれも大小の苗木が作り上げている緑で、本来植樹をするのに好適な時期、冬場に植えられたものが根付たため、土がむき出しになっていないという状況なのだ。
30センチ足らずの苗木が、これから育っていくことで、環境保全に役立ってくれる日が、10年後には必ずおとずれる。
その間地元の人々は、木々を大切に管理育成してくださるのだ。心を一つにして行う、植林活動の意義がそこにはある。

<歴史文化の要・医食同源>
臨汾市で1泊。
中国側カウンターパートの中華全国青年連合/国際青年交流中心からのメンバーを始め、山西省の代表、臨汾市の代表、そして地元の管理担当者などが出席し、今後の抱負について熱く語ってくださった。
臨汾市は、郊外の緑化はもとより、市内の緑化、環境保全にも力をそそいでおり、同時に行われる市街地近代化計画を含め、10年計画のジオラマを見学させていただいた。
河川岸の緑化も着々と進んでおり、臨汾市はかなりの予算を割いている。
翌日、遼寧省へ向かうため太原へ移動、300キロの距離をひた走ること再び。
行けども行けども広原が続く、中国の国土の広さを、正に実感する。
太原では、川手常務理事の30年来の友人、王樟生さん(小説家協会会長)が訪ねて来てくださった。
以前一緒に植林活動に参加された、娘さん、お孫さんとも数年ぶりの再会を果たすことができた。
王先生からは、中国残留孤児の話など体験に基づく貴重なお話を伺う事ができた。
翌朝は古い歴史の街、太原市の史跡を見学、文化と歴史に誇りをもっている山西省の方々の気概が感じられる。
そういえば、食事も「医食同源」を実践しているような、中国四千年の食文化が感じられる、素晴らしいものだった。

錦州市

<永年の友人 洪桂梅さんの故郷で初めての事業>
飛行機で太原から瀋陽へ。
こちらも古い歴史の街だ。
今回初めて遼寧省での植林事業がおこなわれるが、遼寧省は友愛が植林活動を始めた時から、担当者としてご尽力くださっている中華全国青年連合/国際青年交流中心の洪桂梅さんの故郷だ。
10年余を経て初めて彼女の故郷を訪ねる機会に恵まれた訳だ。
瀋陽からまたしても200キロ余の道のりを車で移動して、事業実施現場錦州市に向かう。
そして再び、中国の広さを思い知らされる。今回は高速道路をひた走ったのだが、それでも見えるのは地平線ばかり。
日本で地平線が見えるのは?と思うと、格段の差に驚くしかない。

<広大な砂地・緑化の意義>
21日、旅の工程も残すところ一日、早朝から錦州市の現場に向かう。
朝から強い日差しで気温もどんどん上昇、起工式現場で待っていてくださった400名の学生さん達が、気の毒になった。
すでに植えられた小さな苗が、見はらす限りの広原に続いている。
しかし、土を手で握ると、さらさらと指の間からこぼれるほど、砂の交じった乾いた土である。
この現場の木々の育成を担当される方は、大変だと思った。
しかし、そういった砂地だからこそ木を植え、保水し、砂の飛散を防がなくてはならない。
同年代の高校生・大学生が並ぶ会場で、川手祥右さんは、中国語を交え見事なスピーチを行い、大きな拍手がわいた。
式典の後、400人が思い思いの場所で、穴を掘り小さな苗を植える様は、圧巻であった。
もっとゆっくり皆さんとの思いを振り切って、錦州市内へ戻る。600日の会期で開催されている、遼寧省万博を見学。
同じ省内でも市によって特色が違う。
ここにも中国の大きさが表れている。
さてまた明日の帰国に備えて空港のある瀋陽へ車で戻らなければならない。
夕陽の沈みゆく地平線を道ずれに、大地をひた走った。
再訪を心に約して。
(羽中田 記)

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