第29次友愛植林訪中団派遣 北京大学学生も参加
陝西省宝鶏市麟遊県第三期・遼寧省朝陽市北票市第二期植林を実施
北票市では元気に育っている昨年の植樹を確認
4月11日(水)から4月16日(月)までの6日間、第29次植林訪中団が中国に派遣され、陝西省宝鶏市麟遊県、遼寧省朝陽市北票市の2カ所で植林活動を行った。代表団はその後北京に移動し、友愛講演会感想文コンクールの表彰式、友愛サロンでのシンポジウム、中国宋慶齢基金会訪問など多くの事業を実施し16日帰国した。
今回の植林訪中では、北京大学で学ぶ4名の大学生(梅津剛・高橋博也・松本英幸・渡辺栄香)が現地合流して参加、日中の懸け橋となることを目指して学ぶ大学生にとって、日中友好交流の実際を学ぶ良い機会となった。
陝西省宝鶏市麟遊県では、昨年同様に雨が降り注ぐ中での植林となった。また、遼寧省朝陽市北票市の植林現場も昨年同様強風が吹き荒れており、双方の植林現場の自然条件の厳しさが伺い知れた。
しかし、そんな厳しい状況にもかかわらず、北票市では昨年植えた苗木が大きく育ち、しっかり根を張っている様子が確認できた。更なる成長を祈らずにはいられない。
今回の訪中では、北京大学に留学中の4人の大学生が参加、日本からも高校生が1名参加しており、現地のボランティアの青年達と一緒に、悪天候にもめげず植林する姿は、植えた木々と同様に、日中友好の精神は、次代に繋がっていくことが確信できた。
参加した学生諸氏からの感想文をご紹介し、報告記事とする。
第29次友愛植林訪中団
鳩山由紀夫・鳩山幸・川手正一郎・香葉村亮・高邑勉・清水瀬名・羽中田元美
泥の中で見つけた種
北京大学 大学院修士 梅津 剛
2018年4月11日から13日の3日間、日本友愛の訪中植林活動に参加させていただきました。
自分は長年中国で生活してきましたが、この様に正式な日中友好交流活動に参加する機会はなかなかありませんでしたので、期待するものは大きく、嬉しい気持ちでいっぱいでした。
初日は陝西省青年連合会による夕食会で、美味しいご当地料理や白酒をいただきながら、今回の植林活動でお世話になる中国側の方達とお話し、自分も通訳をさせていただきながら、友愛メンバーと中国側代表たちの話を聞いていて、次の日の植林の成功及び今後の日中友好を祈りました。
翌日は朝早くからバスで植林事業の起工式会場へ出発、目的地は宝鶏市麟游県。生憎の雨で、山道は車がスタックしてしまう程の進みづらい状態でした。にもかかわらず、起工式の現場には沢山の生徒やボランティアの方々が我々の到着を待っていてくれて笑顔で迎えてくれました。
自分が小さい頃の中国人はまだ反日感情が強く、こんなことはありえませんでした。麟游県の皆様には本当に感謝で感動です。
そして、挨拶に立った鳩山理事長は、傘もささず、一人一人に話しかけるように「雨天友愛」の話をされました。ここに集った人々に、に感謝の気持ちを伝えていました。そして習近平主席の「人類命運共同体」に触れ、環境問題について話をされました。実際にこの植林活動も2000年から18年間も中国各地で継続しているとのことで、環境問題に国境は無いことを改めて実感しました。
とても印象深かったのは、川手正一郎常務理事が、参加している若者たちに投げかけた言葉でした。
川手常務理事は彼らに「元気・やる気・本気」と86歳とは思えない、元気いっぱいな声で若者たちに話し、決してこの3つの「気」を忘れず生きていくということをお話しされました。雨の中、植林活動に参加してきた若者たちを見て心から喜び、ご自身の信念を訴える川手常務理事を見て、川手常務理事の日中友好・環境問題に対する「元気・やる気・本気」が心の奥まで伝わってきました。
その後、鳩山理事長ご夫婦、川手常務理事、洪桂梅副主任、麟游県副県長も参加者と共に木を植えました。雨のせいで、みんな泥まみれ状態になりましたが、それでも頑張って木を植えました。
植林は、すぐに結果は出ませんが、10年後や20年後になると木も育ち、この辺りも林になり、森になり、きっと環境は改善されるだろうと思いました。そして、子々孫々たちは、環境改善に役立っているこの木々は、日中両国の人たちが共に植えた木であることを知り、日中の友好を感じるだろうと、一生懸命木を植える地域の人々の表情から信じることができました。
自分も将来は日中友好のために役に立てる事業を展開することが、目標です。自分の人生目標の実現のためにも、今回の植林活動は本当に貴重で一生忘れない経験です。
鳩山理事長ご夫婦、川手常務理事、羽中田事務局長などの友愛メンバーから感じた友愛精神は、自分の心の中に形にはならない、熱く燃えるしっかりとした種として埋め込まれました。
これからの成長で友愛精神の種を育て、将来にはきっと日中友好のため、人類命運共同体を実現するため「元気・やる気・本気」で進み続けていきたいと思います。
雨の中で木を植える!
北京大学 大学院修士 高橋 博也
鳩山由紀夫理事長をはじめとする公益財団法人友愛関係者の皆様、友愛が平成12年度より行っている中国における植林活動に参加させていただき本当にありがとうございました。
また、是非参加してほしいと言ってくださった北京大学の先輩でもある高邑勉さんには感謝の気持ちでいっぱいです。
植林活動の当日は晴天には恵まれなかったものの、決して豊かでない地方都市の田舎で暮らしている宝鶏市麟游県の高校生の皆さんが満面の笑みで我々の一行を迎えてくださいました。植林をしながら鳩山理事長が総理大臣時代に「人生には2人の友がいる。晴天の友と雨天の友である」とおっしゃったこの言葉を思い出しました。晴れた時には人が集まってくることは言うまでもありませんが、いったん人生に雨が降ると、1人去り、2人去りと消えてしまうものです。私たち日中青少年が日中友好のために、まさに互いに雨の友になろうとしていました。この植林活動に来てよかったなと素直に感じました。夜の食事会にて副県知事さんが麟游県が皆さんの第2の故郷になってほしいという言葉が挨拶の中にありました。何年後かに必ずここに戻って、友愛の皆さんと中国の青年たちと一緒に植えた木の成長ぶりを見てみたいと思います。
また、活動最終日に羽中田事務局長からこんなお話を伺いました。「友愛の理念を支えているのは自立と共生の精神である」と唱える鳩山由紀夫理事長のもと、友愛は活動を続けているのです。
この「自立と共生」という言葉は私の心に大変響きました。自立こそが成功への第1歩だと改めて感じました。ずっと日中友好の架け橋になると言ってきたのですが、もう一度自分が今何をするべきかを考え、行動に移したいと思います。最後になりますが、日中関係が良いとも悪いとも言えない今日、日中友好のために1人でも多くの雨の友が増えていくことを願います。大変素晴らしいものをこの植林活動を通して学ばせていただきました。ありがとうございました。
改めて考えた事
北京大学 経済学部 松本 英幸
4月13日と14日の2日間で鳩山先生及び友愛の皆様と同行し、遼寧省の朝陽区の植林活動に参加しました。日中ハーフとしての責任を改めて認識することができました。
日本生まれで中国育ちの私は幼い頃からずっと中国で暮らしてきました。中国で日本好きの人や抗日感情を持っている方など、いろんな人と接してきましたが、「日本のことが大好きです」を言ってくれる人が「日本大嫌い」を言う人より圧倒的に多いと感じていました。しかし、日本では「中国は嫌だ」と思う人が、やはり大半を占めていることを最近感じました。私はこの状態に対して非常に残念だと思い、日本に向けて中国の良さを伝えたく思っていました。
今回、鳩山先生と川手正一郎さんにお会いすることができて本当に嬉しかったです。鳩山先生と川手正一郎さんの日中友好に対する貢献をこの2日間で知ることができて、私も今後、日中ハーフとして鳩山先生と川手正一郎さんみたいに日中友好に貢献できる架け橋になりたいと改めて強く思いました。
「友愛」という理念に共感することができました。鳩山先生、川手正一郎さんの熱いスピーチや羽中田元美さんとの会話で少しづつ「友愛」の考え方や主な理念を知ることができ、特に「自立と共生」は物凄く共感しました。人は自立している現代社会において、特にアメリカや日本みたいな先進国では、実際に無報酬で人を手伝うことは少なくなっている中で、私もなかなか無報酬で仕事をしないようになりました。
しかし、この度「友愛」の理念を知ることで、自立に対しての認識を改めて変わりました。現代社会には自立は基本ですが、過度の自立は自己中心になり、自立の本来の意味がなくなってしまいます。自己中心的の存在にならないために、まさに友愛の精神が必要となると強く思いました。
以上がこの植林活動に参加した個人的な感想です。
鳩山先生を始め友愛の皆様、現地の方々その他この植林で出会った多くの方に、感謝を込めてお礼を申し上げます。
植林訪中に参加して
代々木高校三年 清水 瀬名
かつて、ある海外の国でスラムを初めて目にし、そこに対して何もすることができない自分の無力さが歯がゆくて辛い、という経験をしました。
「こんな自分でも何か役に立てることはないのだろうか?」と模索する中で「友愛」に巡り合いました。
相互に尊重し、理解し、助け合う「自立と共生」の社会づくりという理念を掲げる友愛の活動に感銘を受け、友愛協会の会員となりました。
友愛の精神に国境はなく、近隣国と様々な民間交流で友情の絆を結ぶことは両国間のわだかまりの解消にもなり、その1つに「中国植林事業」の活動があることを知りました。
また植林は環境保護と地球経済活性化の両面が期待でき、その土地の未来に希望をもたらすものであると知りました。
他国、特に近隣国における環境問題は、国の内外という視点を越えて、地球上のあらゆる人々、生物に関係しています。環境問題への危機感について、あまり知る機会のない人たちへ積極的に啓発に務め、問題点を目の当たりに知るきっかけを提供することが不可欠だと感じました。
様々な思いが巡る中、ついにやって来た植林訪中の朝。「小さな私でも地球や人々にとって良い事をするお手伝いができる」という喜びで一杯でした。
北京、西安、宝鶏、沈陽、北票、錦州などを巡り、各地で事業起工式などが行われました。
鳩山由紀夫理事長をはじめ、友愛協会の訪中団の素晴らしい人達との出会いがあり、共有させていただいた時間や、現地で出会えた人々との語らいの時間は私の宝となりました。若輩者の私に皆様は温かく多くのことを教えてくださり、中国の歴史に残る名所を訪ねたこと、円卓を囲んだ食事会など、どれも内容の濃い、経験したことのない刺激的な時間でした。
この植林活動をずっと続けてこられたという川手正一郎さんから、荒れた原野が緑の大地になったとのお話を伺い、私も将来その光景を見てみたい、というロマンを重ねました。植林の背景にある訪中団の皆様の友愛精神に、ただただ、参加させて頂けてよかった、と思うばかりです。
また、北京大学に通う年の近い先輩との出会いもあり、こうした友情の積み重ねをずっと大切にしていきたい、と思いました。
心と心に国境はなく、私にとってこの植林は人と人との心を繋ぐ、大切な絆になりました。友愛のこの事業に参加させていただき、中国各地での環境保護活動ができたことは、環境問題に関心があった私にとって、心に充実感をもたらしてくれるものでした。
鳩山由紀夫理事長、奥様、友愛の皆様、地元のボランティアの青年、子供達、村の人々と共に植樹をした瞬間の、胸の奥の熱くなる気持ちや、スコップを握って踏みしめる大地の感覚を忘れたくないと思います。植えた樹木達が青々と生い茂る日がやって来ること、そして、幾十年、幾百年と地球に潤いをもたらしてくれることを夢見ております。
代表団の皆様や現地の方々、ボランティアの青年の方々には細やかなお心遣いを頂きました。この場をお借りして感謝を申し上げます。ありがとうございました。
- 陝西省宝鶏市麟遊県植林地
雨の降りしきる中、濡れながら参加者に呼びかける鳩山理事長 - 陝西省宝鶏市麟遊県植林地
「雨にも負けず」元気に話をする川手正一郎常務理事 - 遼寧省朝陽市北票市植林地
強風が吹き続けるなか、子供達は笑顔で待っていてくれた - 遼寧省朝陽市北票市植林地
参加の子ども達に段を降り、近づいて話し掛ける鳩山由紀夫理事長 - 陝西省宝鶏市麟遊県植林地
雨の中の植林活動。植えた木々の生長を願って、今後の日中友好の進展を信じて、手を重ねて誓いの円陣での握手。まさに雨天の友の誓いが結ばれた【写真円陣の右から3人目 筆者の梅津剛さん】 - 陝西省宝鶏市麟遊県植林地
ぬかるみの中、靴には厚く泥が付いてしまう。どんなにとってもダメだと苦笑。鳩山理事長ご夫妻 - 西安市/空海の学んだ青龍寺にて
【写真 左から梅津剛さん この欄の筆者、高橋博也さん 清水瀬名さん 高邑勉さん】 - 遼寧省朝陽市北票市植林地
昨年植えた苗木が20センチほど育っていた。根もしっかり張っている。鳩山理事長は慈しむように木をなで、声を掛けていた【写真左端 筆者の松本英幸さん】 - 遼寧省朝陽市北票市植林地
乾いた山肌が続く。10年後20年後の緑に覆われた姿を祈って植林 - 世界的に有名な「九成宮の石碑」の拓本が贈られた。貴重な資料だけに通し番号が打ってある
- 陝西省西安は遣唐使が派遣された日本と縁の深い地である。空海が学んだ青龍寺にて記念撮影
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地元の子どもたちと一緒に木を植える鳩山由紀夫理事長【写真後列右端は、筆者の清水瀬名さん】