3月10日(火)鳩山会館に於いて、鳩山友愛塾第一期生の修了式が執り行われました。
鳩山友愛塾初の修了生を送り出すこの日、昨夜来の雨は上がり、煌めく青空の春の日となった。
音羽の坂道の桜も、蕾を膨らませ、開花の勢いに満ちています。
六時からの修了式は、井上和子塾長の心温まる挨拶で始まりました。
皆様、卒塾おめでとうございます。
これから鳩山由紀夫、鳩山邦夫二人の塾長代行が、力強い餞の言葉を皆様に贈ると思いますし、申し上げたい思いは、『修了文集』に書かせていただきましたので、私は、それに加えて二、三お話します。
『修了文集』の中で、出合いの大切さにふれました。
この鳩山友愛塾で、皆さんが出合ったことを大切に、これからの人生を送っていただきたいと思います。
私たちも皆さんと出合えたことを大切にしたいと思います。
毎回の講義に対する熱心な態度、合宿での真摯な話し合い、卒塾後の関係を大切に考えて立ち上げた同窓会など、皆様の熱意に感動しています。
どうぞこれからも友愛を基調とした関係を築いてください。
皆さんの先輩が創られた、日本友愛青年協会も紆余曲折をみながら五十五年という年月を経てきています。
これは、友愛という理念の正しさを証明するものだと思います。
日本友愛青年協会の会員になりたいというお話も伺っております。
本当に嬉しいことだと思います。
鳩山会館は皆さんの故郷です。
いつでもお待ちいたしております。
次いで鳩山由紀夫、鳩山邦夫両塾長代行が挨拶され、両塾長の思いあふれる言葉に、塾生一同は聞き入っていた。
まず初めに、私の講義を熱心に聴いてくださったことに感謝申し上げます。
そして皆さんの自分自身を磨こうという姿勢に、私も勉強させていただいたことを御礼申し上げます。
そうした皆さんとの出会いから「鳩山友愛塾を開講して良かった」と思いました。
どうぞこれからの人生を有意義に過ごすためにも、この一年を活かしていただきたいと思います。
先ごろ行なわれました祖父一郎の五十年祭にお越しいただきありがとうございました。
私は、祖父の五十年祭の年に、鳩山友愛塾の一期生を送り出せることを、とても嬉しく思います。
この一年は友愛が活きかえった一年だと思います。
私が四回の講義でお話した友愛、そして「友愛憲法」、憲法改正を口にすると平和に対する脅威と捉えられがちですが、決してそういう観点からではなく、本当の友愛の精神を基に、皆さんの心でその発布の日を迎えていただけたら、これに勝ることはありません。
卒塾後は、講義という固い立場を離れて、皆さんと酒を酌み交わしながらお話をする機会を持ちたいと思っています。
おめでとうございます。
三十三名一人も欠けることなく修了されたことは喜ばしいことで、皆さんの努力、執念に敬意を表します。
高校までは教師から知識を教えられます。
大学では、学ぶことを学びます。
鳩山友愛塾も、何かを教える塾ではなく、学び方を学ぶ塾です。
講師の先生方のご協力で、超一流の講師の方々においでいただくことが出来ました。
しかしこれはあくまでも、材料を提供した訳で、これを基にどう考えれば良いかという学び方を学んでいただければ幸いです。
友愛についても同様で、それが絶対だと思う必要はありません。
兄と私の計八回の講義は、内容も方向性も全く違うものであったと思いますがしかし、共通しているのは鳩山一郎のDNAを有している者としての考え方、ドライではなく、しっとりと潤いのある考え方だと思います。
これは世界に誇れる、思想というか、考え方だと思うのです。
私はこの思いを祖父の五十年祭の折にも申し上げましたが、人の喜びと辛さに共感できるということが、今の世の中に一番必要なことだと思っています。
そのような事柄を一つにまとめて考えたとき、鳩山一郎の唱えた友愛という考え方に気付いていただけると思います。
この一年でその優しい気持ち、考え方が人類の永い繁栄につながるということを学び取っていただければ幸いです。
その後塾生一人ひとりに修了証の盾が、井上和子塾長より授与された。
その間、お二人の塾長代行は壇上に上がり、修了証を手にした塾生一人ひとりと一緒に写真に納まるという心温かい対応をしてくださった。
塾生一人ひとりにとって、生涯忘れられない一こまとなることだろう。
塾生を代表して、小西健斗さんが謝辞を述べた。
一年間の思い出、嬉しかったことや戸惑いなど、思いを素直に述べた、素晴らしい謝辞であった。
修了式の式典を終え、階下へ移動、川手正一郎塾長補佐の乾杯の発声で懇親会となった。
懇親会が始まった直後、塾生からの申し出があった。
塾長初め関係者各位に、感謝の花束を贈呈したいとのことである。
いつの間にか用意された花束十六が、塾生それぞれの手に。
そして塾長、塾長代行、塾長補佐は勿論、運営委員、事務局、鳩山会館の関係者の方々にも手渡された。
思わぬ出来事に会場は盛り上がった。
和やかなまさに友愛塾の名にふさわしい懇談風景が繰り広げられた。
また、一期生全員の「あなたにとって友愛とは」を纏めた文集も作成され、全員に渡されました。
井上和子塾長の「思い」をつづった「出会い」(別掲)をはじめ、鳩山由紀夫・鳩山邦夫両塾長代行の色紙も掲載されており、塾生にとっては何よりの思い出になったことでしょう。