Activity2021年度の活動内容

2021年度OEJAB派遣員が綴る 派遣員としての意気込み 私にとって友愛とは若者の声を集結 個性あふれる様々な声

2021年度OEJAB派遣員に選ばれた学生に、課題文を提出していただいた。
テーマは、①派遣員としての抱負・意気込み ②「私にとって友愛とは」で、各人各様の意見が集まった。
執筆者の本人の選んだスナップ写真と共にご紹介します。頼もしい若い声を聞いてください。

中央大学国際経営学部国際経営学科4年 奥山 千波

OEJAB派遣員としての抱負
私は2021年度OEJAB派遣員として、主に三点を抱負として掲げます。まず、本派遣事業を通して支援する側と受ける側の両視点からオーストリアが抱える社会問題について考えることです。
特に難民施設や高齢者住宅への訪問は、支援を受けている方々と交流することでメディアでは分からない様々な発見があると確信しています。続いて、難民問題の認識が低い日本が今後進むべき道についても視座を深めることです。ロシアとウクライナの問題で、日本における難民や彼らが抱える問題が取り上げられるようになりましたが、未だ日本人の難民に対する認識は低いままです。私も難民に対する理解はまだまだ不十分なので、この機会に沢山学び、そして深く考えたいです。
最後に、研修で出会う方々と交流や議論を通して知見を広げながら自分の視野も広げることが挙げられます。私は大学の講義で特に女性と少女が難民支援の現場で弱い立場におかれていることを知り、そこから根幹である難民問題に対して問題意識を持つようになりましたが、他の参加者の方々の関心や目的が自分とは異なっていて大変刺激となります。
難民問題に限らず、様々な社会問題は座学だけでは限界があると感じており、実際に現地へ赴き最前線の情報や現状を知ることを重要視しています。若いうちからこのような貴重な機会をいただけることに感謝しながら有意義な十日間を過ごしたいです。

私にとって友愛とは
「友愛」という壮大な言葉を語るには、私はまだまだ未熟と「自負」した上で、自分なりの解釈をお話しします。私はこの言葉を二つの側面から捉えることができると思います。それは、自分がこれまで歩んできた人生の中での「友愛」と、異文化の中における「友愛」です。前者は友情や家族・大切な人に対する愛情が表現されています。書いて字のごとくではありますが、この解釈が自分にとっては明確かつ強いメッセージ性を感じます。これまでの経験上、自分が他者に向けて示す友情や愛情は自分が今まで受け取ってきたものに基づいているような気がするからです。
後者については、国際的な視点から考えた時の「友愛」についてです。私は現在、海外の大学に留学中の身ですが、友情を示す「友」に対して、この状況における「愛」とは愛情よりも異文化に対するリスペクトの意味合いの方がすんなりと入ってきます。実際に、自国との文化や習慣の違いに戸惑うことはありますが、そこで衝突したままにするのではなく尊重し理解しようと努めることが、お互いのことをより深く理解する第一歩になると信じています。

東北大学農学部4年
計良 衛

OEJAB派遣員としての抱負
私は学生時代に、農業と福祉を掛け合わせた「農福連携」の事業を行う障害者就労支援の農業法人でのボランティアを通して、福祉分野に興味を持ってきました。
今回の派遣ではオーストリアの福祉の様子を見学することで、海外の福祉に対する考え方や、取組の様子について学びたいと思いました。
また、ヨーロッパは歴史的に家庭菜園が盛んであるため、生活の一部として庭先で行われているガーデニングの様子を見てみたいと思いました。
近年、日本でも貸し農園をはじめとした家庭菜園の人気が高まっているので、家庭菜園・ガーデニングの歴史のあるウィーン現地での取組を見ることで、日本の家庭菜園の在り方についても考えてみたいと思っています。
併せて、高齢者施設などで園芸療法が取り入れられているのかや、若者のガーデニングへの意識についても調べてみたいです。
期待と意気込みで、力がみなぎっています。

私にとって友愛とは
私が今アルバイトで働いている沖永良部島のジャガイモ農家は、毎年全国各地からアルバイトの若者が30人ほど集まります。(結構キツイ仕事なのに、毎年これだけのアルバイトが全国から集まってくるというのは、大変な人気です)
人気の理由を寮母役のおばあちゃんに聞いてみると、「愛情を持って接すれば、自然と返してくれる。」と教えてくれました。
このおばあちゃん、疲れているときに肩を揉んでくれたり、仕事終わりにビールを用意してくれたり、日常の至る所で優しく接してくれます。
私もおばあちゃんが誠心誠意接してくれるので、自然と受け入れ先の農家のことが好きになりました。それは同時に、仕事に対しても熱が入るようになっていきます。
そして、相手の見返りを求めることなく、相手を想う気持ちを行動に移すおばあちゃんの思想こそが友愛なのではないかと感じました。
私はこの友愛は、返信のあるなしに関わらず、相手を想う気持ちを手紙という形にして伝えるファンレターに似ていると思います。ファンレターも送り続けていれば、いつか相手が読んでくれて、返信が来るかもしれない。勿論、返ってこないことも多いのだけれど。でも相手への想いを伝えようとすることが大事なのかなと思います。
相手が必ずしも予想したような反応を返してくれるわけではないので、想いを伝え続けることは楽なことではありませんが、続けない限り相手との間で信頼関係を築くことは出来ないのだと想います。
今後私は農業の現場で働いていきますが、アルバイトの方々、同僚・先輩である社員の方々、そして現場の地域の方々と接する時には、まずは自分から誠心誠意接することで友愛を実践していきたいと思います。
(現在は卒業して沖永良部島で研修中)

東北大学大学院法学研究科2年
鈴木 健太

OEJAB派遣員としての抱負
OEJAB派遣の抱負として、まずは難民の方々の実態的状況をこの目で、肌で確かめていきたいと思います。
日本では相変わらず数パーセントにも満たない難民認定率になっています。
また、近年コロナ禍による影響もあり、日本の難民認定申請者数は前年に比べて減少傾向にあるようです。
しかし、人々の日々の生活に影響を及ぼす出来事が多発している現況、世界中の難民者数は依然として増加傾向にあり、難民問題の根本的解決には至っていません。
広い視野を持ち、自分事としてこの問題に向き合いながら私たちに何ができるのか、身を持って考えていきたいです。そして帰国後、体感したことを日本国内で発信し、一人でも多く日本人が心を寄せ合えるような、まさに「友愛」精神の普及活動ができればと思います。
(現在は卒業して国税局に就職 研修で東京在住)

私にとって友愛とは
OEJABへの応募当初、「友愛」という言葉が何を意味しているのか、その本質が掴めていませんでした。しかし、2日間の事前研修を通して「友愛」というものが一体何なのか、少しずつではありますが自分の中で言語化でき始めた部分があります。
私にとって「友愛」とは、他者との対話の根底にあり、想いや価値観、意味などを共有する精神のことを指しているのではないかと感じています。私たちは日常生活においてコンビニなどで店員さんと会話をしますが、それはあくまでも会話であって、対話ではありません。対話とは、自己と他者の異なる価値観を理解し、それを尊重しあうことによって初めて想いや意味を共有することができます。これは他者と関わっていく上で必要不可欠であり、尊重し合うこと無しには対話は成立しません。この対話の根底にある相互尊重こそが「友愛」だと考えています。
気が付けば遥か昔、ヨーロッパ(カレルギー伯)や、中国(墨子)、そして日本(聖徳太子)なども「友愛」に近いものを語っており、それが大事であると述べています。
「友愛」に基づく精神は太古より国境を越え、世界各国に散りばめられていることが確認できます。
それに関して、鳩山一郎先生が「友愛」という言葉で集約表現され、その後に続く先輩諸氏が、言葉と理念を紐づけたことにより、私たちの中で一種の共通言語としての「友愛」が確立しつつあるように思います。 もちろん、10人いれば十人十色の「友愛」の色が存在することでしょう。その色の総称を「友愛」と名付け、共通して理解することによって、理論面だけでなくより一層各人各色の友愛の実践、拡大に拍車をかけることができるようになっていると感じました。
現に、鳩山友愛塾の修了生の理事の皆様は日々実践に取り組んでおられ、私も「友愛」という旗を掲げながら今後OEJAB派遣員として本プログラムに励みたいと考えております。

中央大学法学部4年
北島 貴央

OEJAB派遣員としての抱負
この度はOEJAB派遣に選抜いただき、大変光栄に思います。今回のプログラムを通じて、オーストリアや欧州を取り巻く情勢を理解したいです。
私は、大学で中国を中心に東アジア国際情勢を学んでいました。アジア地域の抱える課題こそ多少の知識はあるものの、欧州に関しては門外漢です。このプログラムを機に自分の見聞を広め、より広い視野で国際情勢を考えられればと思います。
現地では様々な体験をさせて頂く予定ですが、特に難民施設での若者たちとの交流を楽しみにしています。難民の当事者との交流は、日本国内では滅多にできない経験だからです。故郷から離れて暮らす人々の様子や国際社会の抱える課題を五感で吸収し、一地球市民として、また社会人として今の自分が世の中に還元できることを考えるきっかけにしたいです。
加えて、現地での「縁」を大事にしたいと思っています。今回の経験がその場限りにならぬよう、密なコミュニケーションで絆を作っていけたらと思います。

私にとって友愛とは
一言で表すと「他者認知」です。
友愛の勉強会でも知ったことですが、友愛では「相互尊重・相互理解・相互扶助」を友愛三原則として公式に掲げられています。
私はもっと外側の部分から友愛という理念は始まっているのではないかと考えます。
私がこう考える背景には、「フィルターバブル」への懸念があります。
WebサービスやSNSの技術は日々進化しており、自分が見たい情報をお勧めして表示します。その一方で、見たくないと判断された情報は次第に表示されなくなり、人は情報のバブル(泡)の中に包まれるようになります。バブルの内側は心地いい空間である一方で、眺めるトピックの二面性やバブルの外の世界を考える機会が失われてしまう恐れもあります。
人との関わりにおいても同じことが言えます。
「無関係の人間を愛せ」とまでは主張しませんが、もっと広い視野で考えること、バブルの外に対する意識は常に持っておくべきです。私のいう他者認知とは「自分の知らない他者がいることを自覚する」ことであり、これこそが友愛の第一歩と呼べるのではないかと考えます。
(現在は卒業して電通国際情報サービス勤務。研修で東京在住)

九州大学法学部3年
後藤 穂乃実

OEJAB派遣学生としての抱負と期待
この度は、友愛のOEJAB派遣学生としてオーストリアで10日間、外務省やエヤップ関連施設の難民支援の現場を訪問できるという素晴らしい機会を頂けたことをとても嬉しく思っております。心から感謝申し上げます。
私が、友愛の国際交流事業に応募した理由は、難民問題に関心があったからです。関心を持ったきっかけは、中学生の時に、フォトジャーナリズム雑誌を読んだことです。
そこには、難民の方がヨーロッパに逃れるために、船で地中海を渡る様子を捉えた写真が載っていました。避難する過程で多くの方が命を落としており、やっとの思いで避難した国でも差別や貧困によって苦しんでいると知りました。平和な日本で暮らしている私にとって、紛争によって命を落とすかもしれない状況に追い込まれてしまう人々が世界には大勢存在することに衝撃を受けました。このことをきっかけに、将来このような境遇の人々の方の役に立つような仕事がしたいと思うようになりました。
大学生活の中で、大学で所属しているプログラムが主催した海外の学生も交えたワークショップに参加し、難民問題について議論したことがありますが、日本に住んでいて実際に難民という立場の方にお会いしたことのない私が、文献や想像力から「難民」の実情を把握できることは限られていると感じています。そのため、実際に難民の方々と交流し、それぞれの方の気持ちや境遇を知り、「難民」という現象についての理解を深めたいと思い、このプログラムに応募しました。
国際交流の良いところは、新たな発見が得られるところです。海外の留学生と話していると、今まで知らなかった文化や価値観に触れることが多く、それらを知るたびに自分の世界が広がったと感じます。オーストリアでの研修においても、オーストリアで新たに出会う人々、そして一緒に参加する仲間から積極的に学び、自分の成長につなげていきたいです。

私にとって友愛とは
今年の3月に、2日間開催された友愛の勉強会では、友愛の歴史と友愛について学びました。
友愛の歴史については、友愛の思想は、パン・ヨーロッパ運動を起こしたオーストリアのリヒャルト・クーデン・ホーフカレルギーの思想に始まり、日本では戦前・戦後の政治運動にも影響を与えたと知り、その歴史の長さと影響力の強さに驚きました。
また、友愛については、理事長・理事の皆様のお考えを拝聴しました。これをきっかけに、私も友愛とは何かについて考えてみました。
私にとって友愛という言葉は、友愛が中学校・高校の校訓の一つとしてあったため、昔からとても馴染みのある言葉です。学校では、自分の周りの友達を大切にすることであると教わり、私もこれを実践しようと心がけてきましたが、勉強会に参加して、友愛に対する考え方が少し変わりました。
友愛に対する様々な考え方を聞いて、友愛の定義は一つに定まらないけれども、それぞれの友愛の実践によって争いのない平和な世界の実現を目指すということが根底にあるのではないかと思いました。 私は、友愛が目指す平和な世界を実現するには、身近なところから行動することが必要ではないかと思います。
近年、DVやいじめ、近所トラブルなどの人間関係での悲惨な事件が多く起きています。人は、身近な人々に支えられながらも、関わりの深い人との間で争いを起こすことが多いのではないかと思います。良好な人間関係を築き平和な社会を築くには、日常生活の中で相手に対して思いやりを持って接し、自分の身近な人を大切にすることが重要で、それこそが友愛ではないかと考えるようになりました。私は、これまでの友愛の対象を友人から自分の身近な人々に広げて、日々の生活で友愛を実践していきたいと思います。

友愛 活動詳細
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