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2025年度OEJAB派遣員が語る「期待と抱負」過去最大8名の派遣員が勢揃い

事前勉強会の感想も含めて、大いにその意気込みを語りました(掲載順不同)
広島大学大学院 修士2年
豊田 万葉
平和とは何かを探究
この度は、2025年度OEJAB派遣学生として選抜していただき、誠にありがとうございます。昨年から応募させていただき、この度ついに派遣員として訪問できる機会を頂けて嬉しい気持ちでいっぱいです。選抜してくださった方々に感謝の意を示すとともに、充実した滞在になるよう精一杯務めさせていただきます。
先日行われた事前勉強会では、友愛の理念やクーデンホフ=カレルギー伯を中心としたオーストリアの歴史等の学習、鳩山会館の見学、新藤先生の特別講演の聴講と、とても有意義な時間を過ごさせていただきました。
この勉強会の中で、私は新藤先生がおっしゃった「物事の後ろにあるからくりを見ることが大事」という言葉に深く感銘を受けました。この1年カナダやベトナムを訪れ、現地の方と直接対話することや体験を通して文化を感受すること等、五感で理解することが物事の本質を見るうえで必要不可欠であることを学びました。顕在化していることの裏にある多くの潜在化した背景を見ようとすることこそが、異文化理解や多文化共生を推進する第一歩だと感じています。オーストリアを訪問した際は、この見る意識を常に保持し、濃密な10日間にしたいと思っています。
私は生まれも育ちも広島県で、幼いころから「平和」について多くのことを見聞きしてきました。そして、このオーストリア訪問の翌月から広島県の教員として働き、次世代の子どもたちへ平和の大切さを伝える役割を担っていきます。
この度の訪問では、OEJABの施設や国連の見学を通して、広島で過ごす中で培ってきた平和を再確認し、世界での平和に対する意識やオーストリアに住む方々にとっての平和とは何かを探究したいと思います。
また、私は大学生活の中でダイバーシティやインクルーシブについて追究し、障害のある子たちや外国籍の子たち等、教育の中での多様性について深く学んできました。私はこの多様な社会において、様々な人々が共に暮らしていくために重視すべきことはお互いを尊重し合うことであり、まさに友愛の精神をもって接することだと考えています。これから訪れるオーストリアでの全ての出会いに感謝し、平和な世界のために、多様な人々がどのように手を取りあい生きていくべきなのかをこの派遣の期間を通して考えていきたいと思います。
富山大学芸術文化学部4年
渡辺 咲耶
「平和な共生社会」を創造する力
この度は、OEJAB派遣員に選抜していただき、ありがとうございます。
このような貴重な学びの機会を頂戴したからには、自身の五感をフルに働かせ、多くのことを吸収してまいります。
私の目標は、文化芸術と対話を通じて、自ら「平和な共生社会」を創造する力を養い、それを体現する存在となることです。大学では、芸術文化学と国際関係学の双方に情熱を注ぎ学んできました。その中で、「架け橋としての茶道」という視点と、「対話の重要性」への意識が、私の軸として育まれました。これら二つの軸を集約し、実践へと繋げる起点となるのが、今回のオーストリア派遣体験であると考えています。
私はこれまで、有難いことに多くの国や地域を訪れる機会をいただきました。広島・長崎をはじめ、沖縄戦時の地下病院壕、韓国のDMZ(非武装地帯)、中国の九・一八(満州事変)歴史博物館、ベルリンの壁、アウシュビッツ強制収容所、チェコでの核シェルター滞在経験などを通して、戦争と平和について多角的に考えてきました。
これらの場所はいずれも、人類の負の遺産であると同時に、現在進行形で平和の価値を問い続けている場でもあります。まさに今も、世界各地で戦争や紛争が続いていて、対立の溝はかつてよりも深まりつつあります。これは特定の国や地域だけの問題ではなく、人類全体が向き合うべき課題であり、和の心をもって共有されるべきものだと考えています。
今回、ウィーン国連本部の訪問や、OEJABが行う難民支援事業の見学を通じて、これまで自分が見えていなかった、あるいは見ようとしてこなかった現実に真摯に向き合います。そして、分断が広がる国際社会の中で、文化芸術という糸を用いて、人や社会全体を丁寧に紡いでいける存在になることを目指します。
最後に、平和とは何でしょうか? この短い文章の中で明確な答えを書き上げることは難しいですが、私は、誰かとお茶を囲み、和敬清寂の精神のもとで対話を交わし、互いを大切に思える心のつながりこそが、平和への緒になると考えています。6歳の頃から茶道をはじめ、その中で、誰かと茶を共にすることが持つ力、そして対話を促す空間としての可能性を、身をもって実感してきました。
今回のオーストリア訪問を通じて、これまでの経験や考えをより深く、国際的な文脈の中でより説得力のあるものへと昇華できるよう、誠心誠意取り組んで参ります。
大阪大学医学部3年
森澤 茉由
互いの視点を持ち寄り共に学ぶ
この度は、2025年度友愛会のオーストリア派遣プログラムに参加する機会をいただき、心より感謝申し上げます。また、このような貴重な学びの場を準備してくださった友愛の皆様、講師の方々に深く御礼申し上げます。
事前勉強会では、友愛の理念を改めて深く学ぶとともに、カレルギー伯の人生を軸にヨーロッパの思想運動について理解を深めました。また、sympathy をメインテーマとした思想についてのお話を伺い、その思想主義的背景に触れる貴重な機会となりました。理系を専攻する私にとって、いずれも新鮮で大変興味深い内容であった一方、思想や主義に対する理解がまだ十分でないことを強く自覚する機会となりました。
午後には、写真資料を交えながら第二次世界大戦 広島・長崎の実態についてのお話を伺いました。提示された写真はいずれも強い印象を与えるもので、戦争の悲惨さを改めて実感するとともに、平和の尊さについて考える気持ちが一層深まりました。
勉強会では、それまでの私は自分の専攻分野である医学においてどのように人々に貢献するかという観点のみで物事を捉えていたことに気づかされる機会となり、思想や歴史、社会の在り方を理解することが不可欠であると実感しました。
この学びを踏まえ、医療という専門性を軸としながらも、より広い視点で人と社会を支える力を養うために、本派遣プログラムに臨みたいと考えています。
具体的には、難民支援施設や高齢者福祉施設、国際機関訪問を通じて、制度と医療・福祉の関係、文化背景の違いが社会構造にどのように影響しているのかを自らの目で確かめたいと思っています。事前勉強会で得た知識を基に、現地で出会う人々の声や実際の現場を丁寧に観察することで、制度面から人々の生活や健康を支える仕組みを深く理解する一歩としたいです。
加えて、今回派遣されるメンバーは多様なバックグラウンドとパッションを持っており、そのようなみんなとオーストリアという舞台で、互いの視点を持ち寄りながら共に学ぶことを楽しみにしています。
国際教養大学国際教養学部2年
佐藤 廉太朗
「環境との対話」のために
移民・難民問題は、転換点を迎えています。自らの意思に関わらず、人々が世界中を「移動」することが当たり前になる中、移動先での言語・文化・宗教の違いは、彼らの生活に高い壁を築きます。近年、住民間の摩擦や排外感情の高まりによって、彼らはしばしば「秩序を乱す存在」として語られることもあり、共生への道は遠くなる一方です。
移民との関わりが多い環境で育った私は、このような状況の中、すべての人がお互いを理解・尊重できる、秩序ある共生社会を創成するため、支援制度や官民連携の観点から研究・活動を続けてきました。派遣先のOEJABでは、生活援助・職業訓練・語学教育という移民に不可欠な支援を包括的に提供し、彼らの地域社会での自立に貢献します。そこで生活する方々や、支援者の方々との対話を通じて、被支援者のニーズ、抱える問題、支援側から見る現状の課題点、政府やBBU GmbH、他機関との連携などについて理解を深め、課題を改善しよりよい支援モデルを考案します。
先日参加させていただいた事前勉強会・懇親会での、理事の先生方による講義や、財団メンバーの方々・先輩派遣員の方々とのお話は、どれも私に新たな視点を与えてくれるもので、刺激的な時間を過ごすことができました。何より、初めて顔を合わせた同期派遣生は、それぞれが深い知的好奇心を持ち合わせ、バックグラウンドや将来の夢を語ってくれました。これから彼らと研修に参加することを心待ちにするとともに、友愛ユニオンのメンバーとして歓迎してくださったことに心より感謝いたします。
私がフィールドワークでもっとも大切にしていることは、「環境との対話」です。派遣の中で、難民の方々、支援者、現地住民、専門家や有識者、そして同期派遣生や友愛の方々など、多くの人と言葉を交わすでしょう。そんな時、ただ彼らの言葉を耳で聞き、そのまま記憶するのではなく、彼らのいる場所、地域、国、社会、彼らのこれまで歩んできた人生、そして彼らが未来に求めるもの。ひとりひとりを取り巻くそれらの「環境」に目を向けてこそ初めて、その人の言葉が持つ意味について思惟を巡らすことができると考えています。それぞれが置かれる環境を正しく理解するために、この問題に関する知識はもちろん、言語や文化の学習にも取り組み、万全を期して派遣に臨む所存です。
改めてこの度、2025年度派遣員としてご選出いただき、誠にありがとうございます。今回の派遣の機会を、単なる経験としてではなく、将来この課題を解決するための確かな学びの場にすべきという、谷藤先生のお言葉を指針とし、全力で取り組んで参ります。
京都大学法学部4年
唐 祺東
多文化共生のガバナンス
この度は、OEJAB派遣員にお選びいただき、誠にありがとうございます。先日の勉強会では、同期の皆様や理事長をはじめとする友愛ユニオンの皆様とお話しでき、この暖かいメンバーの一員となれたことを心より嬉しく思っております。
私事ではありますが、私は中国人移民の二世として生まれ、現在も中国籍を有しています。そのため、今回のオーストリア派遣にあたっても、ビザ申請を含む多くの手続きを行う必要があり、つい先日大阪で書類を提出してきました。この過程で、さまざまな準備やご配慮をいただいた皆様には、改めて感謝申し上げます。 中学生の頃に来日して以来、周囲の友人と比べて手続きが多かったり、考え方や振る舞い方の違いを感じたりすることが少なくありませんでした。そうした経験から、「国家」や「文化」といった枠組みが、人の生活や選択にどのような影響を与えるのかに、次第に関心を持つようになりました。現在は、文化人類学を中心に学びながら、法学などの視点も取り入れ、多文化共生社会にふさわしい制度のあり方を模索したいと志しています。(これを「多文化共生のガバナンス」と呼んでいます)
ウィーンは、かつてのハプスブルク帝国の都で、政治・文化の中心として知られています。一方で、現在の視点から見れば、ウィーンは英仏独を中心とする西欧世界の「中心」からはやや距離を置いた、ヨーロッパの周縁に位置する都市でもあります。そうした場所だからこそ、多民族・多文化が交差し、独自の社会や文化が形成されてきたのではないかと感じています。
これまで日本や東南アジアを主なフィールドとしてきた私にとって、ウィーンは文化的にも歴史的にも大きく異なる街です。現地の食文化や芸術、宗教、日常の風景に触れながら、まずはこの街を実際に体験し、理解を深めたいと考えています。
また、人口の約三割が外国人とされるウィーンでは、移民をめぐる課題も重要なテーマであると感じています。今回の派遣では、OEJABでの活動や、国連機関、現地で活動されている方々のお話を通じて、ウィーンがどのように多様性と向き合ってきたのかを学んでいきたいと思います。
大阪大学法学部4年
伊藤 里彩
世界を新たな視点で見直す
はじめに、この度OEJAB派遣員に選抜いただきましたことに大変光栄に感じますとともに、心より感謝申し上げます。
私がこのOEJAB派遣に際して目標としていることは世界を新たな視点で見直すことです。大学生活の中で、私は主にアジアの国々や移民問題に関心を向けてきました。しかし、ニュース記事の執筆をきっかけに、いかに日本的な視点から世界を見ているのかということに気付かされました。
現在世界では約3億人が深刻な食料危機に直面していますが、昨年度日本でこの問題に関する報道は十分に報じられませんでした。一見すると日本の社会に影響のない問題だからです。しかし、実際には食糧危機は難民や移民の発生をもたらすと同時に、遠く離れた日本にも食糧の価格高騰をもたらすことのある重要な問題です。このように日本という狭く短期的な視点に固執すれば、現実は見えにくくなります。
この問題意識は自分の異文化理解への姿勢にも影響をもたらしました。だからこそ私は、OEJAB派遣を通じて、慣れ親しんだアジアという枠組みや日本中心の視点を離れて異文化理解について一度相対化したいと考えています。移民や難民という歴史・民族・経済などが複雑に絡み合った問題と、オーストリアという国家やOEJABという組織・そこで働く人々がいかに向き合ってきたのかを知ることで、私自身もこれから異文化にどのような姿勢で向き合うべきか新たな視座を得たいと思います。
また、卒業を間近に控えたこのタイミングで、新たに物事を深く学ぶ機会が与えられたことを非常に幸運に感じております。この機会を無駄にすることなく、共にオーストリアへ向かう7人の仲間と考えたことや感じたことを共有し合いながら、自分自身の成長に繋げられるように全力を尽くしたいと思います。
東北大学法学部2年
田口 郁子
マクロな視点とミクロな視点
この度は、2025年度OEJAB派遣学生に選抜していただきましたこと、心より感謝申し上げます。
私はこれまで大学の授業や活動課外活動を通して、国際関係論や比較政治学の理論のようなマクロな視点と、地域の具体的な社会課題を検討するミクロな視点の双方を養ってきました。学びを深める中で、この二つの視点は密接に関わるものであることに気づき、社会課題や政治的事象をマクロとミクロ双方の観点からより解像度高く捉えられるよう、日々学修を重ねています。
OEJAB派遣はその学修の一環となると考え、参加を決めました。オーストリアは、歴史的にも複数の民族や文化が交錯してきた国です。本派遣では、多種多様な文化的背景をもつ人々が共存する社会や、それを支える地域社会の基盤について直接見聞きできることを期待しています。そして、そこで得たミクロな視点からさまざまな国の政治や社会、そして日本における共生社会のあり方について捉え直したいと考えています。
また、昨夏エストニアを訪れた際には、 国際情勢に対して市民一人ひとりが主体的に向き合う姿を目の当たりにしました。この経験から、国際情勢や政治的決定のような私たちの生活には遠く感じる出来事を考える際にも、身近な場面に与える影響に思いを巡らせる必要性を強く感じています。特に難民や核兵器などの問題については、私自身もマクロな視点から捉えることが多かったように思います。本派遣プログラムでは、OEJABによる難民支援の現場やCTBTOへの訪問を通して当事者の方々から率直な意見を伺い、ミクロな視点を補いたいと考えています。
私の将来の目標は、マクロな視点とミクロな視点の双方を活用し、日々を普通に暮らす一人ひとりが安心して暮らせる社会をつくることです。
グローバル化が進み、さらには情勢も不安定化する今日において、私の目標の達成のために多文化共生や戦争に関する問題は避けては通れません。本研修で得られる学びは、一人ひとりが安心して暮らせる社会の実現という私の目標を達成するために、必ずや大きな糧になるでしょう。
多様な専門や関心をもつ派遣メンバーと共に、この機会にしか得られないたくさんの学びを得られることを楽しみにしております。
東京外語大学 国際社会部4年
土屋 京香
「友愛」のバトンを繋ぐ
このたびは派遣学生に選んでいただけましたこと、心より感謝しております。本派遣において、私は特に次の観点を大切にしたいと思っています。
一つ目は、「友愛」を自分なりに語れるようになることです。先日韓国の延世大学校で行われた友愛小論文コンテストでのイ・スジンさんの定義や、勉強会で伺った様々な方の「友愛」への考え方に感銘を受けました。これまで色々な文脈や視点から「友愛」が語られ、私たちにまでそのバトンが回ってきたことを実感いたしました。そこで、私なりの「友愛」の定義を見つけ出すことが、本派遣の目標の一つとなりました。
二つ目に、「Sympathy」を大切にした社会とはどんなものなのかを具体的にイメージすることです。勉強会での谷藤先生のお話は、自分が大切にしてきた「Sympathy」という言葉を新たに捉えなおす機会となりました。新鮮な学びを多くいただく中で、「最大多数の最大幸福」という今日の社会で当たり前に受け入れられている概念に疑問を持ちました。人々が「理解」や「思いやり」といった「Sympathy」を大切にするのであれば、「すべて」の人に価値が置かれる社会になるはずだと思ったからです。理想論や空想かもしれませんが、分断や格差といったものとより一層向き合っていかなければいけない世代であり、世界の子どもたちと関わるキャリアを選んでいる私は、この考えに真摯に向き合ってみたいです。
子どもたちが自分も他者も尊重し、心から笑ったり、夢を描いたりできる世界を実現するために本派遣への参加を希望しました。先ほど挙げた二つの観点は、この夢を支える重要な価値観です。オーストリアという地に渡り、OEJABがいかにして個人の尊重と共生を両立しているのか、どのような工夫によって人々の居場所をつくっているのか等を学ぶことは、自分の掲げる観点や夢に、貴重な気づきと学びを与えると確信しています。限られた派遣期間中に、様々な意見を積極的に吸収し、五感を使って目一杯学ぶことで、自分の世界や夢への向き合い方に変化があることを期待しています。
このような機会に恵まれた感謝を忘れず、頼もしい同期と共に、学びと希望にあふれた研修にしてきます。
